ここ数年、刺激の少ない「肌に優しい」日焼け止めを成分一個一個を見ながら探していました。
それと同時に、自分で日焼け止めや簡単な商品を作ってもみました。そうして思うことです。
刺激の強い日焼け止めは誰のせい?日焼け止めを自作してみて
このサイトでは、1人の普通な消費者として、1人の美を求める女性として肌に負担の少ない日焼け止め研究をしている訳なのですが…。
日焼け止めについて、少しずつ知識を得ると思うわけです。
手作りの日焼け止めを、自分のこだわりで一から作ろうと思うとふつうにぶち当たる壁です。(壁というほどでもないですが…)
既存レシピを参考に、あまり使用感がよくないデイリー使いの日焼け止めの独自レシピを考えたのですが、その中で思うこと。
長持ちさせたい!→防腐剤が必要
悪者にされることが多い防腐剤。
しかし、腐った化粧品を使う方が肌にとっては負担になります。
というのも、手作りの日焼け止めは、原料にもよりますが持つのは冷蔵庫で1〜2週間程と言われています。
冷蔵庫で1〜2週間!
常温だと高温多湿な夏場なら数日でカビが生えたり腐ってきてしまうかもしれません(怖くてやってないので分かりません)。
腐ったものを肌につけるのがNGなことは一目瞭然。長くしたい場合は「防腐剤」は合理的でとっても便利。
一般的に、持ち歩く化粧品は冷蔵庫より温度が高いことがほとんどなので、数日で使い切ってその度に作るのは現代生活ではなかなか難しいものです。
使用感を良くしたい・成分分離を避けたい→界面活性剤がほしい!
日焼け止めの使用感や伸びをよくしたい時、使う前に振るのは面倒な時。
そんな時には界面活性剤を使うとうまくいきます。弱い界面活性剤では、成分が分離してしまうからです。ある程度の界面活性効果がないといけません。
そして界面活性剤効果が高い程、合成界面活性剤の中でも強いものほど、多く使うほどサラサラな「良い」使用感になるものが多いという感覚でした。
白浮きをなくしたい→ナノ粒子を使うか、色味をつけるか。
紫外線錯乱剤を使って日焼け止めを手作りすると、ガッツリ白浮きします。紫外線錯乱剤の量を増やせば増やすほど(SPFを高くしようとするほど)白くなります。
では、白浮きを無くして高いSPF値を出すにはどうするか?
私が知った方法はこの2つです。
粒子をナノ化するか、酸化鉄等で色味をつけて肌色にするか。
ナノサイズって、インフルエンザウイルスよりも小さい大きさ。
とても小さいから、白くならずに均等に分散してくれるから、白浮きしなくて、かつUV効果もアップするのです。
紫外線錯乱剤を分散して均一化したい→ナノ粒子がいい
紫外線錯乱はお肌の上で均一に分散して欲しい。
焼けないためには、隙間なくピチッと肌に密着してほしい。
こうなると、私ができるだけ避けているナノ粒子がとっても便利なのです。均一に分散してお肌を紫外線から覆ってくれるのです。
温度による変化を避けたい→何かを入れる
シアバターがその典型ですが、温度によって状態が変わります。
個体なのか液体なのか。
ドロドロなのかとろとろなのか。
ホホバオイルも真冬の夜間に凍ることがありますが、そんな感じです。
で、日焼け止めが使うたびに使用感が違うのはなかなか厄介です。
そこまで寒暖の差が激しいことは少ないですが、在る時はドロドロであるときはトロトロ…という程度ならあります。
これが市販品だったらちょっと困りますよね。
(ソレオオーガニクス等、成分やさしめな日焼け止めだと温度によって硬さが変わりる日焼け止めがありますが、それは成分が少ない故ですよね。)
これを防ぐには、何らかの化学物質を入れれば解決する…はずです。
(ごめんなさい、専門家でないので物質名は分かりません)
汗や摩擦にも強くしたい!→シリコン・エステル油が必要
冷蔵庫での保管期限ですら1〜2習慣程しかない手作りの日焼け止めは、汗や摩擦に弱いです。
とても弱い。
これを強くしたい場合、シリコンを入れるのが効果的のようです。
で、シリコンを入れたらシリコンが均等に分散するよういエステル油とやらも必要になるのです。
…と、いくつか見てきましたが
上記で書いた「欲しい成分」には、一般的には「刺激がある」とされているものもあります。
でも、個人レベルでは手が届かない範囲まで研究されて作られた化粧品。無作為に成分が入っている訳ではないはず。
一つ一つに意味があって使われているはず。
その意味とは、使用感を良くする・白浮きを防ぐ・ツヤ感を出す・紫外線防止効果を高める…など色々ありますが、一言で言えば「消費者に受けるため」なのではないでしょうか。
※上記内容は素人が調べたもので、間違いがあるかもしれないことはご了承ください。
結局、刺激が強い商品を作っているのは消費者1人1人
化粧品で「添加物」といって「悪者」にされている成分ですが、消費者がそれを求めたから・人気があるから入っていると思うのです。
成分はちょっと刺激的だったり強い成分が入っていても、使用感がよくその場の仕上がりはキレイ。でも、長く使い続けると明らかに肌負担が大きな日焼け止めがあるのは事実です。
それは何が悪いのでしょうか。
誰がいけないのでしょうか。
企業が悪いのか。
ブランドが悪いのか。
お店が悪いのか。
いやいや、本質は違うと思うのです。
一見すると、企業やブランドが責められがちな気がします。でも、本質はそこではないはず。
企業は「売れる」商品を作りたい。
商品が売れないと、企業自体も成り立たなくなってしまうから。
売れる商品というのは、消費者がたくさん買う商品。
企業は消費者の求めるものを「これでもか!」というくらいに研究してくれている訳です。お金も時間も専門家の知識も費やして、研究に研究を重ねてできた日焼け止めばかりだと思います。
これはある意味、消費者の「ほしい」が企業の「商品」を作っているともいえるのではないでしょうか。
企業にはコンセプトがあるので、そのコンセプトを元に作られた商品を選ぶ選ばないは消費者の自由。
商品が「悪い」訳ではないはず。
企業が「悪」という訳でもないはず。
いくら成分的に「良い」商品を作っても、少しも売れなければ倒産してしまいます。消費者が見向きもしなければ廃盤にせざるを得ません。
倒産してしまったら想いやビジョンのある企業であったとしても何を成すこともできなくなってしまいます(従業員も即リストラ)。
刺激的な日焼け止めがあるのは、それを選ぶ消費者がいるから。
肌に負担の少ない日焼け止めが少ないのは、それを求める人が少ないから。環境負荷の大きい日焼け止めが多いのは、そっちの方が人気があるから。
単純に、こういう部分が日焼け止めの奥底にはひそんでいると思うのです。全てではないかもしれませんがこのような一面もあるはず。
それは、日本の教育システムや常識的に「仕方のないこと」かもしれません。でも、自分で調べたり考えたりすれば「絶対に変えられないこと」でもないはず。
だからこそ、賢い消費者になっていきたいなぁと思のです。…と、今日はちょっと、真面目なお話。
女性はいくつになっても美しく在りたい。
その方法はきっといくつもあるはずです。
そこに注力すれば、肌にも環境にも優しくて、かつUV効果のある日焼け止めはもっともっと増えることと思っています。
中には「赤ちゃん用」と書いてあるのに「いや、コレは刺激が強い気が…」というのもあります。「買い物は投票」との言葉もありますが、私含め、1人1人が賢い選択をし、賢い消費者となっていきたいなぁと思うのであります。